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プレスリリース
(2025年度)

2026年03月11日
首都高速道路株式会社

伝統的な日本の製紙技術で作った紙(和紙)によるロードヒーティングに関する論文が世界道路協会(PIARC)賞を受賞

首都高速道路株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:寺山 徹)の論文が、世界道路協会(PIARC)の主催する「PIARC賞(冬期サービス部門)」を受賞しましたので、お知らせいたします。1909年に設立された歴史あるPIARCにおいて、同賞を受賞することは当社として初の快挙となります。論文で紹介している開発技術により、積雪による車両滞留リスク箇所に迅速かつ低コストでロードヒーティングが導入できるようになりました。

授賞式01

授賞式02

1.受賞の概要
受賞名 :
PIARC賞(Winter Service Category)
論文題目:
Road heating using paper made by traditional Japanese papermaking techniques
(和訳:伝統的な日本の製紙技術で作った紙によるロードヒーティング)
受賞者 :
蔵治 賢太郎(首都高速道路株式会社)
共著者 :
石原 陽介(首都高速道路株式会社)、加藤 仁士(株式会社太陽)
授賞式 :
2026年3月10日(火)
第17回冬期道路・防災・脱炭素化世界会議(シャンベリー大会)開会式
2.背景:激甚化する豪雪と既存技術の限界

近年、地球温暖化に伴う気象の激甚化により、短時間での記録的な大雪が全国で頻発しています。これにより、高速道路等での長時間の車両滞留(スタック)が毎年発生し、深刻な社会問題となっています。
特に急速に普及が進む電気自動車はガソリン車のように現場で給油ができないため、バッテリー切れで自走不能になると一台ずつレッカー移動が必要となり、道路全体の復旧を著しく遅延させます。また、電欠は車内温度の急激な低下を招き、乗員の生命に直結するリスクとなります。
しかし、車両滞留を未然に防ぐ従来のロードヒーティング技術はコストや施工性といった課題が広範囲への適用の大きな障壁となっていました。

3.技術の特長:伝統技術と最新技術の融合

長繊維を均一に分散させる「和紙」の紙漉き技術に着想を得て、その中にカーボン繊維を均一に定着させた薄型・面状の発熱体である「カーボン和紙」を熱源として活用する新たなロードヒーティングを開発しました。

  • スポット加熱による効率化: タイヤパス直下のみをピンポイントで加熱することで、エネルギー消費を最小限に抑えつつ、スタックを確実に未然防止します。
  • レトロフィット(後付け)対応: 厚さ数ミリのシート状であるため、既存舗装への溝切りだけで設置が可能。深刻な滞留リスク箇所へ迅速かつ低コストに導入することができます。
  • 低コスト:カーボン和紙は既存の抄紙機械で一度に大量に製造することができるため、低コストです。
  • 脱炭素社会実現への貢献: 電動自動車の購入をためらう要因のひとつとなっていた車両滞留の発生頻度を縮小します。
技術の特長:伝統技術と最新技術の融合
4.世界道路協会(PIARC)について

1909年に設立されたPIARC(本部:フランス・パリ)は、道路および道路輸送分野では世界で最も歴史ある国際組織です。現在、120カ国以上の政府会員が加盟し、道路インフラの整備・管理・運営に関する知見を共有しています。
PIARC賞は、4年に一度開催される世界会議において、道路分野の発展に寄与する最も優れた革新的な論文に授与される道路分野で最も権威のある賞です。