独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)と首都高速道路株式会社(以下「会社」という。)は、高速道路株式会社法(平成16年法律第99号。以下「道路会社法」という。)第6条第1項及び独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法(平成16年法律第100号。以下「機構法」という。)第13条第1項の規定に基づき、この協定を締結する。
(目的)
第1条 本協定は、首都高速1号線等に関し、機構法第12条第1項の機構の業務及び道路会社法第5条第1項第1号又は第2号の会社の事業(以下「業務等」という。)の実施に必要な事項を定めることにより、業務等の適正かつ円滑な実施を図ることを目的とする。
(協力)
第2条 機構及び会社は、その業務等の実施に当たっては、債務の返済等の確実かつ円滑な実施を図りつつ、高い公共性を有する高速道路の新設、改築、維持、修繕、災害復旧その他の管理(以下「高速道路の管理」という。)が適正かつ効率的に行われるよう、相互に密接な連携を図りながら協力するものとする。
(協定の対象となる高速道路の路線名)
第3条 本協定の対象となる高速道路の路線名は、以下のとおりとする。
- (1)都道首都高速1号線
- (2)都道首都高速2号線
- (3)都道首都高速2号分岐線
- (4)都道首都高速3号線
- (5)都道首都高速4号線
- (6)都道首都高速4号分岐線
- (7)都道首都高速5号線
- (8)都道首都高速6号線
- (9)都道首都高速7号線
- (10)都道首都高速8号線
- (11)都道首都高速9号線
- (12)都道首都高速晴海線のうち東京都中央区晴海二丁目35番から同都江東区有明までの区間
- (13)都道首都高速11号線
- (14)都道首都高速葛飾江戸川線
- (15)都道首都高速板橋足立線
- (16)都道首都高速目黒板橋線
- (17)都道首都高速品川目黒線
- (18)都道高速湾岸線
- (19)都道首都高速湾岸分岐線
- (20)都道高速横浜羽田空港線
- (21)都道高速葛飾川口線
- (22)都道高速足立三郷線
- (23)都道高速板橋戸田線
- (24)神奈川県道高速横浜羽田空港線
- (25)神奈川県道高速湾岸線
- (26)埼玉県道高速葛飾川口線
- (27)埼玉県道高速足立三郷線
- (28)埼玉県道高速板橋戸田線
- (29)埼玉県道高速さいたま戸田線
- (30)千葉県道高速湾岸線
- (31)横浜市道高速1号線
- (32)横浜市道高速2号線
- (33)横浜市道高速湾岸線
- (34)横浜市道高速横浜環状北線
- (35)川崎市道高速縦貫線
(工事の内容)
第4条 会社が行う高速道路の管理のうち、新設又は改築に係る工事の内容は、別紙1-1から別紙1-19(PDF/386KB)までのとおりとする。
- 会社が行う高速道路の管理のうち、修繕に係る工事(機構が会社からその費用に係る債務を引き受けるものに限る。)の内容は、別紙2(PDF/15KB)のとおりとする。
- 会社は、前項に規定する修繕に係る工事のうち第14条第1項の助成の対象となるものを行おうとするときは、あらかじめ、修繕工事計画書を機構に提出し、機構の同意を得なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
- 会社は、第2項に規定する修繕に係る工事のうち前項に規定するもの以外のものを行おうとするときは、あらかじめ、修繕工事計画書を機構に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。ただし、あらかじめ提出することが困難である場合においては、会社は、修繕によって増加した道路資産が機構に帰属する日前に修繕工事報告書を機構に提出するものとする。
- 会社は、災害復旧に係る工事を行おうとするときは、あらかじめ、災害復旧工事計画書を機構に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。ただし、あらかじめ提出することが困難である場合においては、会社は、災害復旧によって増加した道路資産が機構に帰属する日前に災害復旧工事報告書を機構に提出するものとする。
(新設、改築又は修繕に係る債務引受限度額)
第5条 新設又は改築に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙1-1から別紙1-19(PDF/386KB)までのとおりとする。
- 修繕に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙3(PDF/26KB)のとおりとする。
(災害復旧に係る債務引受限度額)
第6条 災害復旧に要するものと見込まれる費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額は、別紙4(PDF/32KB)のとおりとする。
- 前項の規定にかかわらず、会社が機構から機構法第12条第1項第5号又は第6号の無利子貸付けを受けて災害復旧を行った場合には、前項の限度額に当該無利子貸付けに係る額に相当する額を加えたものを同項の限度額とする。
(無利子貸付けの貸付計画)
第7条 機構が会社に対して行う機構法第12条第1項第4号及び第6号(災害復旧に係る部分を除く。)の無利子貸付けの貸付計画は、別紙5(PDF/13KB)のとおりとする。
- 前項の規定にかかわらず、機構が会社に対して行う機構法第12条第1項第4号及び第6号(災害復旧に係る部分を除く。)の無利子貸付けに係る貸付金の額は、機構が政府若しくは地方公共団体から受けた機構法第12条第1項第4号の出資金(会社の管理する高速道路に係る部分に限る。)又は地方公共団体から交付された同項第6号の補助金(災害復旧に係る部分を除き、会社の管理する高速道路に係る部分に限る)に相当する額とする。
(貸付けに係る道路資産の内容)
第8条 機構が会社に貸し付ける道路資産の内容は、第3条に規定する協定の対象となる高速道路を構成する敷地又は支壁その他の物件とする。
(道路資産の貸付料)
第9条 機構が会社に対して貸し付ける道路資産の貸付料は、別紙6(PDF/30KB)の額とする。
- 会社は、毎年度の前項の貸付料を1ヶ月ごとに分割して機構に支払うものとし、その支払期限は、翌月の15日とする。ただし、支払期限が、銀行法(昭和56年法律第59号)第15条第1項に規定する銀行の休日に該当する場合は、その日前において、その日に最も近い銀行の休日でない日を支払期限とする。
- 会社は、前項に規定する支払期限までに、機構の発行する支払請求書に基づき、貸付料を支払うものとする。
- 会社は、第2項に規定する支払期限までに前項の規定により支払うべき金額の全部又は一部を支払わなかった場合は、次項に規定するときを除き、その期限満了の日の翌日からこれを支払った日までの日数に応じ、当該支払うべき金額に不足する額に対し年5.0%で計算した金額を、遅延利息として機構に支払うものとする。
- 機構は、大規模な災害の発生等やむを得ない事由により会社が第2項に規定する支払期限までに第3項の規定により支払うべき金額の全部又は一部を支払うことができないと認めるときは、その期限を延長することができる。この場合において、会社は支払期限満了の日の翌日からこれを支払った日までの日数に応じた利息を機構に支払うものとし、その利息は機構と会社が協議して定めるものとする。
- 会社は、前項の規定による延長期限までに第3項の規定により支払うべき金額の全部又は一部を支払わなかった場合は、その期限満了の日の翌日からこれを支払った日までの日数に応じ、当該支払うべき金額に不足する額に対し年5.0%で計算した金額を、遅延利息として機構に支払うものとする。
第10条 毎年度の料金収入の金額(以下「実績収入」という。)が、次の各号のいずれかの場合に該当するときは、それぞれ各号に定める額を貸付料とする。
- 一 別紙7(PDF/13KB)の金額(以下「計画収入」という。)に計画収入の1%に相当する金額を加えた金額(以下「加算基準額」という。)を超えた場合 前条第1項に定める金額に、実績収入から加算基準額を減じた金額を加えた金額
- 二 計画収入から計画収入の1%に相当する金額を減じた金額(以下「減算基準額」という。)を下回った場合 前条第1項に定める金額から、減算基準額から実績収入を減じた金額を減じた金額
- 会社は、前項第1号に該当する場合において、実績収入から加算基準額を減じた金額を、機構の発行する支払請求書に基づき、会社が道路会社法第14条第3項に基づき財務計算に関する諸表を国土交通大臣に提出した後2ヶ月以内に、機構に支払うものとする。
- 機構は、第1項第2号に該当する場合において、減算基準額から実績収入を減じた金額を、会社の発行する支払請求書に基づき、会社が道路会社法第14条第3項に基づき財務計算に関する諸表を国土交通大臣に提出した後2ヶ月以内に、会社に支払うものとする。
- 前条第4項から第6項までの規定は、第2項及び前項の場合に準用する。
(道路資産の貸付期間)
第11条 機構が会社に貸し付ける道路資産の貸付期間は、それぞれの道路資産が機構に帰属した日から平成62年9月30日までとする。
(料金の額及びその徴収期間)
第12条 第3条に規定する高速道路を供用することにより徴収する料金の額及びその徴収期間は、別紙8(PDF/73KB)のとおりとする。
(維持、修繕その他の管理)
第13条 会社は、道路を常時良好な状態に保つように適正かつ効率的に高速道路の維持、修繕その他の管理を行い、もって一般交通に支障を及ぼさないように努めなければならない。
- 会社は、高速道路の維持、修繕その他の管理の実施状況について、毎年度、機構に報告することとし、機構は、必要に応じて実地に確認を行うことができるものとする。
(助成)
第14条 会社は、その経営努力により高速道路の新設、改築又は修繕に関する工事(修繕に関する工事にあっては、あらかじめ第4条第3項の同意を得たものに限る。以下同じ。)に要する費用を縮減した場合には、機構に対し、機構法第12条第1項第7号に掲げる業務として行われる助成金の交付を申請することができる。
-
会社は、前項の規定による申請をしようとするときは、当該新設、改築又は修繕に関する工事が完了したこと及び当該工事に要する費用の縮減が会社の経営努力によるものであることを示す書面を添付して、次に掲げる事項を記載した申請書を機構に提出しなければならない。
- 当該新設、改築又は修繕に係る工事の内容
- 当該新設、改築又は修繕に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの限度額
- 2に係る助成対象基準額
- 当該新設、改築又は修繕に係る工事に要する費用に係る債務であって、機構が会社から引き受けることとなるものの額
- 前項第3号に掲げる助成対象基準額とは、新設又は改築に関する工事にあっては、別紙1-1から別紙1-19(PDF/386KB)に記載の額とし、修繕に関する工事にあっては、第4条第3項の修繕工事計画書に記載の額とする。
-
機構は、第1項の規定による申請が次に掲げる要件のいずれにも適合すると認める場合には、第2項第3号の額から同項第4号の額を控除した額(会社の経営努力によるものと認められた部分に限る。)の5割に相当する額を、第1項の助成金として、会社に交付するものとする。
- 第2項第4号の額が同項第3号の額を下回るものであること。
- 申請に係る新設、改築又は修繕に関する工事に要する費用の縮減が会社の経営努力によるものであること。
- 申請書に記載された事項が適正であること。
(道路資産の機構への帰属)
第15条 道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号。以下「特別措置法」という。)第51条第2項から第4項までの規定に基づき、高速道路に係る道路資産が機構に帰属する場合には、会社は、あらかじめ、当該道路資産に係る道路資産原簿、用地台帳、設計図その他関係図書(以下「道路資産原簿等」という。)を機構に提出するものとする。
- 機構は、必要があると認めるときは、会社の立会いの下に道路資産原簿等と現物の照合を行うことができる。
(債務の引受け)
第16条 機構法第15条第1項の規定に基づき、高速道路の新設、改築、修繕又は災害復旧に要する費用に充てるために会社が負担した債務を機構が引き受ける場合には、会社は、あらかじめ、当該引受けに係る債務目録及び金銭消費貸借契約書、社債原簿その他証書類(以下「証書類」という。)を機構に提出し、機構の立会いの下に当該債務目録と証書類の照合を行うものとする。
(協定の変更)
第17条 機構及び会社は、おおむね5年ごとに、本協定について検討を加え、これを変更する必要があると認めるときは、相互に、その変更を申し出ることができる。大規模な災害の発生その他社会経済情勢の重大な変化があり、これに対応して協定を変更する必要があると認めるときも、同様とする。
- 機構及び会社は、道路資産の貸付料の額又は料金の額が機構法第17条に規定する貸付料の額の基準又は特別措置法第23条に規定する料金の額の基準に適合しなくなったと認められる場合その他業務等の適正かつ円滑な実施に重大な支障が生ずるおそれがある場合には、相互に、本協定の変更を申し出ることができる。
- 前2項の規定による変更の申出があった場合には、機構及び会社は、その申出に誠実に対応しなければならない。
- 第1項及び第2項の規定に基づく協定の変更は、業務等の実施状況を勘案し、債務の返済等の確実かつ円滑な実施及び高速道路の管理の適切かつ円滑な実施が図られるよう行うものとする。
(協議等)
第18条 本協定に定めのない事項又は疑義が生じた事項については、その都度機構と会社が協議して定めるものとする。
附 則
本協定は、平成18年4月1日から施行する。
この協定の締結を証するため、本協定書2通を作成し、記名押印の上、各々1通を保有する。
平成18年3月31日
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構
理 事 長 勢 山 廣 直
首都高速道路株式会社
代表取締役会長 長谷川 康司