首都高の取り組み

首都高の取り組み

EFFORTS OF SHUTOKO

おおはし里の杜

大橋ジャンクションの内側に位置する大橋換気所の屋上につくられた、「自然再生緑地『おおはし里の杜』」。
人と自然とのかかわりが豊かであった時代をイメージし、斜面林や草地、小川のせせらぎなどが再現されています。

おおはし里の杜が目指す自然環境 ~目黒川周辺の原風景を再現~

  • 換気所屋上の特殊な形状(勾配約28%の斜面と上方・下方の平面部で構成)を、昭和初期のかつての目黒川の河岸段丘に見立て、斜面林、草地、湧水とせせらぎ、池、水田を設置しました。
  • 目黒川周辺の原風景に基づく植栽景観を再生するとともに、多様な生き物の生育空間となる環境を創出することを目標として整備しました。
かつての目黒川の地形

エコロジカル・ネットワークの形成

  • エコロジカル・ネットワークとは、分断された生物種の生育・生息空間を相互に連結することにより、劣化した生態系の回復を図り、生物多様性の保全を図ろうとする構想及び実践活動のことです。
  • おおはし里の杜整備後の8~10月にかけて下表の生物の飛来や生息を確認したことからも、代々木公園等周辺の緑をつなぎ、目黒川を軸としたエコロジカル・ネットワークの新たな拠点の一つとしての役割が期待されます。
「おおはし里の杜」で飛来や生息が確認された主な動物種
鳥類
4種
イソヒヨドリ/ハクセキレイ/ヒヨドリ/メジロ
昆虫類
(陸生)
61種
シオカラトンボ/アキアカネ/ハラオカメコオロギ/ツヅレサセコオロギ/ヒシバッタ/コバネイナゴ/アブラゼミ/ナナホシテントウ/ナミハナアブ/イチモンジセセリ/ナミアゲハ・・・
昆虫類
(水生)
8種
ハイイロゲンゴロウ/マツモムシ/アメンボの一種/アジアイトトンボ(ヤゴ)/ギンヤンマ(ヤゴ)/シオカラトンボ(ヤゴ)/ショウジョウトンボ(ヤゴ)/コミズムシ

生きものネットワークのイメージ

「自然共生サイト」に認定

2023年度、環境省の「自然共生サイト」に認定されました。大橋ジャンクションと一体整備された換気所屋上という特殊な場所で、生態系に配慮しながら緑地空間を創出するとともに地域社会に貢献している点や、エコロジカル・ネットワークの形成等が都市緑化の優良モデルとなっている点などが評価されました。
評価されたポイント(PDF/318KB)

※「自然共生サイト」とは、「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する区域のこと。認定された区域のうち、保護地域との重複を除いた区域は、「OECM(保護地域以外の生物多様性保全に資する区域)」として国際データベースに登録される。

「自然共生サイト」に認定

「SEGES」に認定

2020年度、社会・環境貢献緑地評価システム「SEGES」の「そだてる緑」に登録されました。首都高速の換気所屋上という特殊な場所で、生態系に配慮しながら緑地空間を創出したことや、地域の小学生を招いた稲作体験の実施などの地域社会への貢献が高く評価されました。

※「SEGES」(Social and Environmental Green Evaluation System)とは、企業等によって創出された良好な緑地と日頃の活動、取り組みを評価し、社会・環境に貢献している、良好に維持されている緑地であると認定する制度。

社会・環境貢献緑地評価システム「SEGES」の「そだてる緑」

江戸のみどり登録緑地に登録

2019年8月21日に、東京都在来種植栽制度「江戸のみどり登録緑地」の「優良緑地」に登録されました。
在来種にこだわった植栽や、整備から約6年の間、自然の状態に近い樹形等を維持するために過度な刈込を行わない等生態系を守る取組を徹底するとともに、農薬を使わない等自然環境への配慮も行っていることなどが評価されました。

※「江戸のみどり登録緑地」とは、在来種を積極的に植栽し、生物多様性の保全に取り組む緑地を東京都が登録・公表する制度

江戸のみどり

JHEP認証”AAA”(最高ランク)取得

「おおはし里の杜」は平成28年9月21日に、「JHEP認証」において、最高ランクである“AAA”を取得しました。
かつての目黒川周辺の原風景をモデルに、地域本来の自然を手本にして苗木の種類を在来種に限定する等、良質な自然地を回復しました。
また、整備開始より、自然の樹形や草原の成育のために過度な刈り込みを行わないことや、在来種の育成のために外来種の駆除を行うなどの維持管理を徹底してまいりました。
これらの整備と維持管理の取組みが評価され、JHEPの中で最高ランクの『AAA』の認証となりました。

※JHEP認証(Japan Habitat Evaluation and Certification Program)とは、企業等の取組みについて、生物多様性への貢献度や影響度を事業の前後で比較し定量評価するもの。日本では、公益財団法人日本生態系協会が評価し、認証している。1970~1980年代に環境を定量的に評価する手法として、アメリカ内務省で開発されたHEPの日本版。

JHEP認証

稲作体験イベント

  • 地域の小学生を対象に稲作体験イベントを開催しています。
  • 例年6月頃に「田植え体験」、7月頃に「自然観察会」、9月頃に「稲刈り体験」、10月頃に「脱穀体験」の計4回の体験イベントを実施し、お米を収穫しています。収穫したお米は精米し、学校の食体験の場に活用いただいています。
稲作体験イベント

一般公開

「おおはし里の杜」は生き物への配慮等のため普段は入ることができませんが、年に数回一般公開を行っています。ぜひ遊びにいらしてください。

2023年度公開スケジュール(予定)
第1回 2023年6月10日(土)10:00~16:00(詳細はこちら)
第2回 2023年9月9日(土)10:00~16:00(詳細はこちら)
第3回 2023年11月12日(日)10:00~16:00(詳細はこちら)
第4回 2024年3月24日(日)10:00~16:00(詳細はこちら)
稲作体験イベント