はじめに

首都高速道路株式会社 (以下「当社」という。)は、旧首都高速道路公団の民営化に伴い、平成17年10月1日に設立された会社であり、保有する数多くの知的財産※1を活用し、効率的かつ効果的に首都高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を行っています。これらの知的財産の中には、首都高速道路のみならず当社以外の第三者によって国内外で進められているプロジェクトにおいても同様にその効果を発揮するものがあります。
当社は、最初の開通から50年を迎える平成24年に、新たなステージに向けて、「中期経営計画(2012~2014)~おかげさまで50年、首都高は新たな50年のステージへ~」を策定しました。これを踏まえ、中長期的観点から以下に掲げる3つの考え方から構成する「知的財産に関する基本方針」を定めました。

  • 性能・品質・コストに優れた知的財産の創造を推進します。
  • 知的財産を適切に管理し、当社事業に活用します。
  • 知的財産を積極的に活用し、社会貢献を行います。

1 知的財産の創造

首都高速道路事業の効率的な運営のために知的創造サイクルを構築し、性能・品質・コストに優れた知的財産の創造を推進します。

そのために、首都高グループ※2の連携強化を進めるとともに、社外パートナーとの共同研究を積極的に展開し知的財産を創造します。

2 知的財産の管理

優れた知的創造サイクルを構築する観点から、以下のとおり適切な管理を行います。

(1)知的財産の公開

次の場合は、特許出願等による権利化をせずに国内外において公開します。

[1]社会全体で共有すべき知的財産
当社が将来にわたって権利化する必要性がなく、第三者が権利化した場合普及が妨げられる可能性のある知的財産は、論文等により公開します。
[2]利用範囲が極めて限定的な知的財産
首都高速道路においてのみ使用する等、利用範囲が極めて限定的であると見込まれる知的財産は、権利化を行わず論文等で公開し、社会全体の技術水準向上に寄与します。

(2)知的財産権の取得

次の場合は、特許出願等により権利化します。

[1]適正な技術移転収入が見込まれる知的財産
製品化等第三者の経済活動を通して社会に普及する可能性のある知的財産は、適正な技術移転収入が見込まれる場合、権利化します。
[2]技術戦略の一環として展開させるべき知的財産
品質の保証等当社の技術戦略上、必要性が高いと考えられる知的財産は権利化します。

(3)知的財産の適切な維持

知的財産は、当社の資産としてその価値を発揮できる期間は速やかな活用を可能とすべく適切に維持します。

3 知的財産の活用

当社の知的財産は、当社事業の効率的な運営のために活用します。これを当社の社会貢献の一環として遅滞なく社会に還元し、更なる効果を生むべく努力します。そのため、社内体制を整備し以下の方法により知的財産を活用します。

(1) 技術公開による社会への還元

知的財産を論文等で公開することにより、当社の技術力を国内外に示すとともに、第三者の事業を通じて、知的財産の活用を促進します。

(2) 公的研究活動への技術支援

当社の知的財産を用いて、より優れた成果を得る目的で行われる公的な研究に対し、必要に応じた技術支援を行います。

(3) 効果的な実施許諾

権利化した知的財産権は、権利者である当社による実施だけではなく、適正な対価を得て第三者に実施を認め、知的財産を有効に活用します。これにより、成果の普及・活用のみならず、知的創造サイクルへの貢献、開発技術に対する認知度・評価の向上及び社内技術者の技術力向上を促進します。

(4) 技術コンサルティング

得られた成果を遅滞なく社会に還元し、更なる効果を生むべく、国内外への技術コンサルティングを通して成果の普及促進を図ります。首都高速道路以外への展開により、知的財産による社会貢献と成果の更なる進化を促進します。

※1:財産的価値を有する情報
※2:当社と連結子会社からなる企業集団及び (一財)首都高速道路協会並びに (一財)首都高速道路技術センター